「プラチナカードって、年収いくらから持てるんだろう」
調べはじめると、サイトによって「年収500万円以上」「いや800万円は必要」と書いてあることがバラバラで、余計に不安になります。でも実際に各カード会社の公式サイトを1枚ずつ確認していくと、意外な事実が見えてきます。プラチナカードの申込条件に、具体的な年収が書かれているケースはほとんどありません。
ここでは、主要なプラチナカード8枚の公式条件を並べたうえで、カード会社が実際に何を見ているのか、年収300万円台・500万円台・1,000万円台でそれぞれ現実的に狙える1枚はどれかを見ていきます。年収に自信がない人ほど読む価値がある内容です。
年収400万円台でも、プラチナの世界には普通に入れる

先に安心してもらうために書いておきます。年収400万円台の会社員がプラチナカードを持つのは、今やそれほど珍しい話ではありません。
空港のラウンジで搭乗まで静かに過ごす。予約が取りづらいレストランで2名分のコースを頼んで、1名分が無料になる。深夜にコンシェルジュへメッセージを送って、翌朝には旅程が組み上がっている。こういう体験は、年収1,000万円のパスポートではなく、年会費1万円台のカードで届く場所になりました。
大事なのは、年収の数字そのものより「その年収で無理なく払えるか」をカード会社がどう計算しているかを知ること。そこを理解して申し込めば、通過率は確実に変わります。
主要プラチナカード8枚の申込条件を比較

各社の公式サイトに書かれている申込条件を、年会費の安い順に並べます。ここに書かれていないことは、公式には決まっていないということです。
| カード | 年会費(税込) | 公式の申込条件 |
|---|---|---|
| TRUST CLUB プラチナマスターカード | 3,300円 | 22歳以上・年収200万円以上・安定継続収入 |
| UCプラチナカード | 16,500円 | 安定した収入があり、社会的信用を有する方(学生・未成年を除く) |
| 三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード | 22,000円 | 20歳以上・安定した収入のある方(学生を除く) |
| JCBプラチナ | 27,500円 | 20歳以上・安定継続収入のある方(学生を除く) |
| エポスプラチナカード | 30,000円(招待または年100万円利用で20,000円) | 学生は申し込み不可 |
| 三井住友カード プラチナプリファード | 33,000円 | 原則として満20歳以上・安定継続収入のある方 |
| セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード | 33,000円 | 個人事業主・経営者向け。決算書や登記簿謄本は不要 |
| アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード | 165,000円 | 年収基準は非公開 |
ひと目でわかるとおり、年収の数字が明記されているのはTRUST CLUB プラチナマスターカードだけ。しかもその金額は200万円です。年会費165,000円のアメックス・プラチナですら、公式には年収の下限を出していません。
つまり「プラチナ=年収800万円から」というのは、どこにも根拠のない都市伝説です。実際に見られているのは、もっと別のものです。
カード会社が本当に見ているのは「支払可能見込額」
ここが今回いちばん役に立つところです。クレジットカードの審査には、割賦販売法という法律で決められた共通のルールがあります。カード会社は「支払可能見込額」を調査したうえで利用可能枠を設定する義務があり、その計算式をUCカードは公式サイトで公開しています。
支払可能見込額=年収-年間請求予定額-生活維持費
利用可能枠は、この90%以内で各社の基準を加えて決まります。
年間請求予定額は、今後1年間に支払う予定のクレジット(割賦)金額。他社のカードやスマホの分割払いも、指定信用情報機関を通じて調べられます。そして生活維持費は、経済産業省令で金額が決まっています。
生活維持費の早見表
| 生計を一にする人数 | 住宅費用なし | 住宅費用あり(住宅ローン・家賃) |
|---|---|---|
| 1人 | 90万円 | 116万円 |
| 2人 | 136万円 | 177万円 |
| 3人 | 169万円 | 209万円 |
| 4人 | 200万円 | 240万円 |
| 申告しなかった場合 | 一律240万円として計算 | |
ここで覚えて帰ってほしいのが最後の行です。申込フォームで住宅ローンの有無と同居家族の人数を空欄にすると、一番不利な240万円で計算されます。年収500万円の独身の人が正しく申告すれば生活維持費は90万円ですが、未申告だと240万円。この差だけで、枠が130万円以上変わります。
年収別に計算してみる
| 年収 | 世帯・住宅 | 生活維持費 | 枠の上限目安(90%) |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 1人・賃貸あり | 116万円 | 約165万円 |
| 400万円 | 1人・賃貸あり | 116万円 | 約255万円 |
| 500万円 | 2人・住宅ローンあり | 177万円 | 約290万円 |
| 700万円 | 3人・住宅ローンあり | 209万円 | 約441万円 |
| 1,000万円 | 2人・住宅ローンあり | 177万円 | 約740万円 |
注目してほしいのは1行目。年収300万円でも、制度上は165万円前後の枠が計算できます。プラチナカードの初期枠として十分に成立する数字です。「年収が低いから門前払い」という話ではまったくない、ということがわかると思います。
限度額の決まり方をさらに詳しく知りたい人は、こちらもどうぞ。

年収別|現実的に狙えるプラチナカード

ここからは、年収帯ごとに「まず狙うならこの1枚」を挙げていきます。公式の申込条件と、実際の発行報告の両方をふまえた現実的なラインです。
年収200万~300万円台
この帯でまず候補になるのが、年収条件が明記されているTRUST CLUB プラチナマスターカードです。年会費3,300円、22歳以上・年収200万円以上。プライオリティ・パスやコンシェルジュは付きませんが、国内空港ラウンジと2名以上のコース料理で1名無料の優待が使えます。
もう一段上を狙うならUCプラチナカード。公式の条件は「安定した収入があり、社会的信用を有する方」で、年収の下限はありません。正社員で勤続1年以上、支払い遅延なしという条件がそろっていれば、年収300万円台での発行報告は実際にあります。
UCプラチナの審査については、年収300万円台の突破事例を別記事にまとめています。

年収400万~500万円台
いちばん選択肢が広がる帯です。UCプラチナはもちろん、JCBプラチナも射程に入ります。JCBプラチナは2024年12月3日から申込年齢が25歳以上→20歳以上に引き下げられ、20代・年収400万円台での発行例も出ています。
三菱UFJカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード(年会費22,000円)も、20歳以上・安定収入という条件だけなので現実的です。エポスカードをすでに使っている人なら、エポスプラチナカードのインビテーションを待つ手もあります。招待経由なら年会費が20,000円になります。
この帯で「年会費と特典のバランス」を最優先するなら、年会費16,500円でプライオリティ・パス年6回無料が付くUCプラチナが素直な答えです。
年収600万~800万円台
年間のカード利用額が多い人なら、三井住友カード プラチナプリファード(年会費33,000円)の還元率特化型という選択肢が出てきます。年間100万円ごとに継続特典が付くので、決済額が大きいほど有利です。
個人事業主や会社経営者ならセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード。決算書や登記簿謄本の提出が不要で、個人の信用情報をもとに審査されるのが特徴です。開業したばかりでも申し込めます。
年収1,000万円以上
ようやくアメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード(年会費165,000円)が現実味を帯びてきます。ただし、年収1,000万円だから自動的に通るわけではありません。年会費が高いカードほど「その年会費を毎年払い続けられるか」を見られるので、支出の状況や他社の借入がシビアに評価されます。
正直なところ、この帯の人がUCプラチナやJCBプラチナを選んでも、体験の質はそこまで変わりません。年会費の差額15万円を旅行費用に回したほうが満足度が高いケースも多い、というのが本音です。
年収より重視される3つのポイント

年収の数字が同じでも、通る人と落ちる人がいます。差が出るのはここです。
- クレジットヒストリー(クレヒス)/過去の支払い履歴です。年収800万円でも延滞履歴があると不利になり、年収400万円でも支払いがきれいなら評価されます。これがいちばん効きます
- 収入の安定性/金額より「毎月同じくらい入ってくるか」。勤続年数が短いと、同じ年収でも慎重に見られます。転職直後の申し込みは避けるのが無難です
- 他社の借入と申込状況/カードローンの残高や分割払いの残債は、年間請求予定額として年収から差し引かれます。また短期間に何枚も申し込むと警戒されます
クレヒスは一朝一夕には作れませんが、逆に言えば半年から1年あれば十分に育てられます。今持っているカードで、公共料金やサブスクの支払いを遅れずに続けるだけでいいのです。
年収に自信がないときの、通しやすくする手順
今あるカードで、口座残高不足による引き落とし失敗を起こさないこと。うっかり1日遅れただけでも記録が残る場合があります。まずはここを固めます。
年間請求予定額として年収から引かれる部分です。スマホ端末の分割払いも対象なので、完済してから申し込むと支払可能見込額がそのまま上がります。
住宅ローンの有無、同居家族の人数、預貯金額。任意の欄でも埋めてください。未申告だと生活維持費が一律240万円で計算され、自分から枠を削ることになります。
短期間に複数枚の申し込み履歴が並ぶと、資金繰りに困っていると受け取られかねません。本命を1枚に絞り、結果が出るまで待ちましょう。
年会費16万円のカードにいきなり挑むより、1万円台のプラチナで実績を積むほうが確実です。同じ発行会社で使い込めば、上位カードの案内が届く可能性も高まります。
ここは注意|年収まわりでやりがちな失敗
- 年収を多めに書く/申告年収は源泉徴収票などで確認されることがあります。虚偽申告は審査落ちに直結するうえ、通ったあとに発覚すれば会員資格を失うリスクもあります
- 手取り額を書いてしまう/年収は税金や社会保険料を引く前の金額です。手取りで書くと、実際より低い数字で審査されます
- 落ちた直後にすぐ再申し込みする/申込履歴は信用情報に残ります。落ちたら最低6ヵ月は空けて、その間にクレヒスを育てるほうが近道です
- 年金・不動産収入を申告しない/これらも年収に含めて申告できます。給与以外の収入がある人は必ず合算してください
- 学生のうちに申し込む/今回挙げたプラチナカードは、ほぼすべて学生が対象外です。まずは学生向けカードでクレヒスを作りましょう
迷ったら、年会費16,500円のUCプラチナから
年収に不安があるけれどプラチナの体験は欲しい、という人にとって、いま一番バランスがいいのがUCプラチナカードです。
| 項目 | UCプラチナカードの内容 |
|---|---|
| 年会費 | 16,500円(税込)/家族カード3,300円(税込) |
| 申込条件 | 安定した収入があり、社会的信用を有する方(学生・未成年を除く) |
| 利用可能枠 | 最大700万円 |
| プライオリティ・パス | 年6回まで無料(家族会員も同条件) |
| グルメ特典 | 全国約200店舗のレストランで2名以上の利用なら1名分が無料 |
| ポイント還元 | 基本1.0%。航空券の公式販売窓口購入で14倍(7.0%) |
| 付帯保険 | 海外最高1億円/国内最高5,000万円、スマホ・家電の修理費用補償も自動付帯 |
年収の下限が設定されていないうえ、レストラン優待を1回使うだけで年会費の元が取れる計算です。プラチナカードの1枚目として、これ以上に入りやすい入口はなかなかありません。
よくある質問
- 年収300万円でもプラチナカードは作れますか?
-
作れます。TRUST CLUB プラチナマスターカードは公式に「年収200万円以上」が条件ですし、UCプラチナカードやJCBプラチナは年収の下限そのものを設けていません。支払い遅延がなく、安定した収入があることのほうが重要です。
- 年収は手取りと額面のどちらを書きますか?
-
額面(税引き前)です。源泉徴収票の「支払金額」にあたる数字を書きます。年金や不動産収入がある場合は、それらも合算して申告できます。
- アルバイトやパートでも申し込めますか?
-
雇用形態そのものを理由に断られるとは限りませんが、プラチナカードは「安定継続収入」が条件になっているため、正社員に比べると慎重に見られます。まずはゴールドカードでクレヒスを積んでから挑むほうが現実的です。
- 専業主婦や学生でも持てますか?
-
本会員としては難しいのが実情です。今回挙げたプラチナカードは、ほぼすべて学生が申込対象外。ただし家族カードなら本会員と同じ特典を使えるカードが多く、UCプラチナなら年会費3,300円でプライオリティ・パスまで付きます。
- 自営業・フリーランスは不利ですか?
-
会社員より慎重に見られる傾向はあります。確定申告の所得が複数年安定していることが心強い材料になります。セゾンプラチナ・ビジネスのように、決算書や登記簿謄本を求めず個人の信用情報で審査するカードを選ぶ手もあります。
- インビテーションがないとプラチナは持てませんか?
-
そんなことはありません。UCプラチナ、JCBプラチナ、三菱UFJプラチナ・アメックス、三井住友カード プラチナプリファードは、いずれも招待なしで直接申し込めます。エポスプラチナも自分から申し込めますが、招待経由だと年会費が20,000円になります。
- 審査に落ちたら、次はいつ申し込めますか?
-
申込履歴は信用情報に一定期間残るため、最低6ヵ月は空けるのが定石です。その間に他社の分割残高を減らし、支払いをきれいに続けておくと、次の結果が変わります。
まとめ
- 主要プラチナカード8枚のうち、年収が明記されているのはTRUST CLUB プラチナマスターカードの200万円だけ
- 審査では「年収-年間請求予定額-生活維持費」で出す支払可能見込額が使われます。年収300万円でも165万円前後の枠は計算できます
- 住宅費用と同居人数を申告しないと、生活維持費が一律240万円扱いになって不利です
- 年収より効くのはクレヒス・収入の安定性・他社借入と申込状況の3つ
- 年収400万円台なら、年会費16,500円のUCプラチナが最初の1枚として素直な選択です
「年収が足りないかも」と思って申し込みをやめてしまうのが、いちばんもったいない選択です。公式が年収の下限を決めていない以上、答えは申し込んでみないとわかりません。支払いをきれいに続けてきた人なら、思っているより高い確率で通ります。空港ラウンジで静かにコーヒーを飲む時間は、年収1,000万円を待たなくても手に入ります。
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