羽田の出発前、奥さんとプライオリティ・パスの空港レストランへ。お寿司と生ビールを楽しんで、いざ精算──と思ったらレジで「お連れ様の分が35米ドルになります」と言われ、頭の中で電卓が回り始める。これ、家族や恋人とラウンジを使ったことがある人なら一度は経験する瞬間です。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス®・カード(セゾンプラチナ・ビジネス)のプライオリティ・パスは、本会員は何度でも無料、けれど同伴者は1人につき35米ドル(後日カード請求)。1ドル150円換算なら1回5,000円を超える出費です。年に数回家族でラウンジを使うなら、無視できない金額になります。
ここでは、35米ドルの正体と注意点、そして「追加カードを作れば家族もプライオリティ・パスが使える」という誤解を整理しつつ、家族でラウンジを使うための現実的な選択肢まで解説します。
セゾンプラチナ・ビジネスの同伴者料金は「1人35米ドル」

セゾンプラチナ・ビジネスのプライオリティ・パスは、最上級のプレステージ会員。本会員は回数無制限で世界1,700ヵ所以上のラウンジが無料、ここに不満はありません。問題は同伴者の扱いです。
本会員は無料、同伴者は1人35米ドルが後日請求される
同伴者料金は、ラウンジでその場で支払う仕組みではありません。受付で同伴者数を伝えて入室し、後日カードの利用代金として請求される後払い方式です。海外利用なのでデータの到着まで1〜2ヵ月のタイムラグがあり、忘れた頃に明細を見て「あれ、35ドル×2人=70ドル?」と驚くことになります。
かつては同伴者料金が4,400円(円建て)の時代もありましたが、2025年8月から35米ドルへ改定されました。為替次第で実質値上げが続く構造になっている、というのが現状です。
35米ドルは日本円でいくら? 為替で動く実費の感覚
| 為替レート | 同伴者1人あたりの実費 | 2人連れた場合(夫婦+お子様1人など) |
|---|---|---|
| 1ドル=140円 | 約4,900円 | 約9,800円 |
| 1ドル=150円 | 約5,250円 | 約10,500円 |
| 1ドル=160円 | 約5,600円 | 約11,200円 |
家族3人で出国・帰国に1回ずつラウンジに入るだけで、1回約1万円。年に2回の家族旅行で計4ラウンジ利用なら、年間2万円超の出費になります。「ちょっとした昼食代」というには、無視できないラインです。
同伴者が無料になるのは「2歳未満の幼児」のみ
プライオリティ・パスの公式ルールでは、同伴者が2歳未満の幼児の場合のみ料金がかかりません。2歳の誕生日を迎えた瞬間から、お子さまも35米ドルの対象になります。「うちの子はまだ小さいから無料でしょ?」が通用するのは、本当に幼児の間だけです。
ラウンジによっては「同伴者の人数に上限」が設定されているケースもあるので、子だくさんの家族旅行で全員入室できるかは、事前にプライオリティ・パスのアプリでラウンジ詳細を確認しておくと安心です。
家族・連れと使うときの「3つの落とし穴」

落とし穴① 受付で「同伴者数」のサインを必ず確認する
ラウンジ受付では、入室時にプライオリティ・パス(デジタル会員証)と一緒に「本会員1名+同伴者○名」の人数を端末に入力されます。サインする前に画面の人数をかならず確認してください。
たまに、受付スタッフが同伴者を多くカウントしているケースが報告されています。日本語の通じない海外ラウンジでは特に、画面に表示された人数とサインの内容を自分の目でチェックする習慣を持っておくと、無駄な35ドルを請求されずに済みます。
落とし穴② 同伴者料金は後日請求、円安局面で「思ったより高い」
同伴者料金は海外決済扱いなので、後日カード明細に「USD 35.00」が円建てに換算されて計上されます。請求のタイミングで円安が進んでいると、35ドルがそのまま5,500円や6,000円になることもあります。
セゾンプラチナ・ビジネスの海外ショッピング事務処理手数料も、2025年のリニューアルで2.00%から3.85%に引き上げられました。地味に効いてくる手数料です。同伴者料金を払う前提の旅行なら、その分の予算をあらかじめ確保しておくのが現実的です。
落とし穴③ 国内空港のカードラウンジも同伴者は基本有料
「プライオリティ・パスを使わず、普通のカードラウンジに2人で入ればいい」と考える方もいますが、ここにも罠があります。
セゾンプラチナ・ビジネスで使える国内主要空港のカードラウンジ(POWER LOUNGE、KALラウンジ、スカイラウンジなど)は、本会員と追加カード会員のみ無料。カードを持たない同伴者は、各ラウンジの規定料金(1,000〜1,500円程度)を支払う必要があります。「ラグジュアリーカードのように、同伴者1名無料」という特典は、セゾンプラチナ・ビジネスにはありません。
結論として、「プラチナだから家族みんなタダで入れる」は誤解です。家族や連れと一緒に空港でくつろぎたいなら、別の打ち手が必要になります。
よくある誤解|「追加カードを作れば家族もプライオリティ・パスが使える」は間違い
ここは特にしっかり書いておきたいポイントです。ネット上の解説記事の一部に「セゾンプラチナ・ビジネスは追加カード(年会費3,300円)を発行すれば、家族にもプライオリティ・パスを持たせられる」という情報がありますが、これは事実ではありません。
セゾンプラチナ・ビジネスの公式情報および各種解説サイトを確認すると、追加カード会員にはプライオリティ・パス特典は付帯しないと明記されています。追加カードで使えるのは、国内主要空港のカードラウンジまでです。
つまり、3,300円で追加カードを発行しても、家族はカードラウンジには無料で入れますが、海外のプライオリティ・パスラウンジ・空港レストラン特典は使えない、ということです。家族でラウンジを使いたい場合の「追加カード戦略」は、海外旅行が中心ならほぼ意味がありません。
、海外旅行に出かけるご家庭なら、配偶者がセゾンプラチナ一般版を本会員として申し込むのが、補償も含めて最強の体制になります。本人会員同士の構成なら、ラウンジで同伴者料金35米ドルを払う必要が一切なくなります。
知っておきたい新特典|セゾンプラチナ(一般版)を年会費無料で2枚目に持てる

2025年6月のリニューアルで、セゾンプラチナ・ビジネス本会員向けに「プライベート用のプラチナカードを年会費優遇で持てる」特典が新設されました。姉妹カードのセゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード(一般版)を、追加コストなしで発行できます。
一般版には、ビジネス版にはない魅力が複数あります。
- 永久不滅ポイントの還元率が0.75%(ビジネス版は0.5%)。プライベートの買い物はこちらで決済するとポイントが効率よく貯まる
- 旅行保険に家族特約が付く。ビジネス版にはない、カードを持たない家族への補償をプライベート用に確保できる
- 仕事用(ビジネス版)とプライベート用(一般版)で明細を分けられるので、確定申告や経費管理がスッキリする
ただし、「この2枚目のプライオリティ・パスを奥さまに渡して使ってもらえばいい」と考えた方──ここに大事な注意があります。
よくある誤解|「2枚目のPPを家族に渡せばいい」は通用しない
つい期待してしまいますが、これはできません。プライオリティ・パスの公式利用条件で、会員証は「他人に譲渡または貸与できない」と明確に定められています。ラウンジ受付で身分証(パスポートや運転免許証)の提示を求められた場合、会員証の名義と一致しない人は入室を拒否されます。
さらに、本会員本人が「ビジネス版のPP」と「一般版のPP」を2枚同時に持っていても、ラウンジ利用は1回のご利用につき1つの会員資格に限定されています。本人が2枚分を使い回すこともできません。
2枚目の一般版を持つこと自体は、ポイント還元率・家族特約・明細分離の観点から十分に得です。ただ「家族にPPを使わせたい」という目的での2枚目発行は意味がない、とここだけ分けて理解してください。
家族でラウンジを使う唯一の正解は「家族自身が本会員になる」
「2枚目のセゾンプラチナ一般版」は本当に意味がないのか
家族にプライオリティ・パスを渡す手段としては使えません。ただし、2025年6月新特典の「セゾンプラチナ一般版を年会費無料で持てる」自体には、別のメリットがあります。
- 一般版は永久不滅ポイント還元率0.75%(ビジネス版0.5%より高い)。プライベートの買い物はこちらで決済すると効率がいい
- 一般版には旅行保険の家族特約が付く。ビジネス版にはない補償をプライベート用に確保できる
- 仕事用とプライベート用で明細を分けられるので確定申告がスッキリする
つまり、2枚目を持つこと自体は得です。ただ「家族にPPを使わせたい」という目的での2枚目発行は意味がない、と分けて理解してください。
る構造が完成します。年会費は元のセゾンプラチナ・ビジネス分(初年度無料、次年度33,000円)だけで、追加コストはゼロです。
家族でラウンジを使う唯一の正解は「家族自身が本会員になる」

結論はシンプルです。奥さまや配偶者にもプライオリティ・パスでラウンジに入ってほしいなら、その方ご自身が本会員として、PP付きクレジットカードを発行する──これしかありません。
奥さまにおすすめのカード候補
| カード | 年会費 | プライオリティ・パス | 備考 |
|---|---|---|---|
| セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス®・カード(一般版) | 33,000円 | プレステージ会員(回数無制限) | 家族特約付き旅行保険あり。招待日和も使える |
| UCプラチナカード | 16,500円 | 年6回まで無料 | 家族カード(3,300円)にもPPが付帯。夫婦で年3回の海外旅行なら往復6回分をカバーできる |
| 楽天プレミアムカード | 11,000円 | プレステージ会員(年5回まで無料・2025年〜) | 女性向け特典・少額利用に最適 |
3枚の使い分けは、家族構成と旅行スタイルで決まります。
旅行中の保険も一緒に手厚くしたいなら、セゾンプラチナ(一般版)が最適です。奥さまが本会員として持つことで、旅行保険の家族特約によりカードを持てない子どもも補償対象になります。プライオリティ・パスも回数無制限なので、旅行頻度が高いご家庭にも安心です。
子どもにもラウンジを使わせたいなら、UCプラチナカードです。奥さまが本会員(年会費16,500円)として持ち、お子さまに家族カード(年会費3,300円)を発行すれば、奥さまもお子さまもそれぞれのカードでラウンジに入れます。年6回まで無料なので、家族全員で年2〜3回の旅行なら十分カバーできます。
夫婦2人だけでコスパよく使いたいなら、楽天プレミアムカードが一番シンプルです。奥さまが年会費11,000円で本会員になるだけで、プライオリティ・パスが年5回まで無料。夫のセゾンプラチナ・ビジネスと合わせれば、夫婦それぞれが自分のカードでラウンジに入れるので、同伴者料金35米ドルを払う場面がなくなります。ただしプライオリティ・パスの無料利用が年5回を超えると1回あたり35米ドルがかかるため、旅行頻度が高い場合は別カードを検討してください。
UCプラチナカードの詳細は、別記事で詳しくまとめています。
▶ UCプラチナカード徹底レビュー|年会費16,500円で持てるプライオリティ・パス付きプラチナの実力
どっちが得? ケース別シミュレーション
| 家族構成・利用頻度 | 同伴者料金で押し通す場合 | 奥さまもセゾンプラチナ本会員にする場合 | どっちが得? |
|---|---|---|---|
| 年1回・夫婦のみ・出国帰国で2ラウンジ | 約10,500円 | 年会費33,000円 | 同伴者料金で押し通す |
| 年2回・夫婦のみ・出国帰国で4ラウンジ | 約21,000円 | 年会費33,000円 | ほぼ同じ(カード価値で勝負) |
| 年3回以上・夫婦のみ・出国帰国で6ラウンジ以上 | 約31,500円以上 | 年会費33,000円 | 本会員2枚体制が断然得 |
※1ドル=150円換算。子連れでお子さまが2歳以上の場合は、同伴者料金がさらに上乗せされます。
家族で年3回以上の海外旅行に行く方なら、奥さまに本会員カードを持ってもらう体制のほうが、コストでも体験でも上回ります。本会員ならラウンジで「私の分も家族の分も同伴者料金ゼロ」になるからです。
セゾンプラチナ(一般版)とビジネス版の違いをもっと詳しく見たい方は、別記事で全体比較をまとめています。
▶ セゾンプラチナ・ビジネスとセゾンプラチナ(一般)の違いを完全比較|どっちを選ぶべきか
追加カードが作れない友人や恋人と使うときの選択肢

家族なら本会員2枚体制で解決できますが、恋人や友人とラウンジに入りたいケースもあります。ここは現実的に3つの選択肢です。
選択肢① 35米ドルを払う(旅の娯楽代と割り切る)
恋人との海外旅行で、出国前の1時間を「ラウンジで乾杯」から始めたい──そんなときは、35米ドル(約5,000円)を旅の娯楽代として割り切るのが素直な選択です。空港のレストランで2人分の食事代を払えば6,000〜8,000円はかかるので、ラウンジで無料の食事とお酒を楽しんで5,000円なら、むしろお得という見方もできます。
選択肢② プライオリティ・パス対応のレストランで会計テクを使う
プライオリティ・パスは、空港ラウンジだけでなく空港内のレストラン・カフェでも使える施設があります。福岡空港のTIAT LOUNGE ANNEXや、関空のぼてぢゅう、成田のIASS DINING & CAFE TATSUなど。
本会員1名+同伴者1名で入店した場合、同伴者料金35米ドルがかかる代わりに、レストランで2人分の食事をオーダーできるケースもあります。同伴者料金を払う前提で「ラウンジの軽食」より「空港レストランで美味しい食事」を選ぶ作戦です。なお、空港レストラン特典は2025年8月から「出発3時間以内の搭乗券保有者のみ」に制限されたので、利用タイミングには注意してください。
選択肢③ 友人にも自分用のプライオリティ・パス付きカードを勧める
頻繁に海外旅行を一緒にする友人なら、その友人にもプライオリティ・パスが付くカードを発行してもらう、というのも実は現実的な解です。楽天プレミアムカード、JCBプラチナ、エポスプラチナ──選択肢は複数あります。それぞれが自分のカードで入室すれば、同伴者料金は一切かかりません。
プライオリティ・パス付帯カードの全体観は、姉妹サイトの記事も参考になります。
▶ プライオリティ・パスとは? 使えるラウンジ・料金・無料で持つ方法まで徹底解説(TIMELESS Hotels & Travel)
よくある質問
- 同伴者料金35米ドルはどうやって支払うのですか?
-
ラウンジでの現金払いではなく、後日カード利用代金として請求されます。海外決済扱いで、データ到着まで1〜2ヵ月のタイムラグがあるので、明細に反映されるまで多少時間がかかります。請求時の為替レートで円換算されるため、円安局面では実費が増える点に注意してください。
- 子どもは同伴者料金がかかりますか?
-
無料になるのは2歳未満の幼児のみです。2歳の誕生日を迎えた瞬間から、お子さまも1人35米ドルの対象になります。家族旅行で子連れの方は、お子さまの年齢を確認しておきましょう。
- 追加カードを発行すれば、家族もプライオリティ・パスを使えますか?
-
使えません。セゾンプラチナ・ビジネスの追加カードには、プライオリティ・パス特典は付帯しません。追加カードで使えるのは、国内主要空港のカードラウンジまでです。家族にもプライオリティ・パスを持たせたい場合は、家族自身が本会員としてセゾンプラチナ(一般版)などを発行する必要があります。
- 国内のカードラウンジなら、同伴者も無料で入れますか?
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セゾンプラチナ・ビジネスで使える国内主要空港のカードラウンジは、本会員と追加カード会員のみ無料です。カードを持たない同伴者は、各ラウンジの規定料金(1,000〜1,500円程度)が必要になります。ラグジュアリーカードのような「同伴者1名無料」の特典は付いていません。
- セゾンプラチナ(一般版)を年会費無料で持てる特典は、誰でも対象ですか?
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2025年6月以降に発行されたセゾンプラチナ・ビジネス本会員が対象です。1人1度限りで、過去に同特典を受けた方やSAISON MILE CLUB加入中の方は対象外になる場合があります。詳細は申込前にセゾンカードの公式ページでご確認ください。
- 同伴者料金は値上げや変更があるのですか?
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過去には4,400円(円建て)だった時代がありますが、2025年8月から1人35米ドルに改定されました。プライオリティ・パスは世界共通のサービスなので、グローバルな料金体系の影響を受けます。今後も為替や運営方針の変更で見直される可能性は十分あります。
まとめ|家族とラウンジを料金を気にせず楽しむには「それぞれが本会員」がの正解

セゾンプラチナ・ビジネスのプライオリティ・パスは、本会員にとってはこれ以上ない快適さですが、家族や連れと使う場面では「1人35米ドル」という無視できないハードルがあります。追加カード(3,300円)を発行しても家族にプライオリティ・パスは付かず、2枚目のプライオリティ・パスを家族に渡すことも規約上できません。ここを誤解したまま入会すると、必ずどこかで損をします。
正しい打ち手はシンプルで、家族それぞれが本会員としてプライオリティ・パス付きカードを持つことだけです。年に3回以上の家族海外旅行があるなら、同伴者料金35米ドル×複数回を積み上げるより、奥さまにもカードを持ってもらうほうが確実に元が取れます。
出発前にチェックしておきたい5つのポイント
- 同伴者料金は1人35米ドル(後日カード請求、為替で変動)
- 無料になるのは2歳未満の幼児のみ、それ以外の家族・連れは全員有料
- 追加カード(3,300円)にプライオリティ・パスは付帯しない
- 本会員は2025年6月からセゾンプラチナ(一般版)を年会費無料で2枚目に持てる=PPがもう1枚
- 家族で海外旅行が多いなら、奥さま自身もセゾンプラチナ本会員にするのが圧倒的に得
「同伴者35ドル」のレジで固まる側ではなく、家族みんなで自分の会員証を見せてラウンジに進む側へ。出発前夜、まずは2枚目のセゾンプラチナの申し込みフォームを開いてみてください。次の家族旅行が、もうワンランク快適なものに変わります。
プライオリティ・パスの基本的な仕組み・申込手順を確認したい方はこちら。

