海外で急に高熱が出て病院へ。診察と点滴だけで請求は数十万円——これは大げさな話ではなく、医療費の高い国では普通に起きます。そんなときに頼りになるのが、クレジットカードに付いている旅行保険です。ここでは、旅行保険でおすすめのクレジットカードを6枚に絞り、海外旅行保険・国内旅行保険の中身を正直に比べていきます。補償額の数字だけでなく、「いざという時に本当に使えるか」までふみ込んで、後悔しないための選び方のコツを伝授します。
※特典・条件・補償内容は変更される場合があります。申込前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
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海外で体調を崩しても、支払いの心配だけはしなくていい旅へ

旅行保険つきのクレジットカードはたくさんありますが、見るべきポイントを絞れば選び方はシンプルです。次の3つだけ押さえれば、まず失敗しません。
- 「治療費用(ケガ・病気)」がいくらまで出るか(実際に一番使う補償)
- 自動付帯か、利用付帯か(保険が有効になる条件)
- 家族も対象になるか(家族特約の有無と範囲)
多くの人が「最高1億円補償!」という数字に目を奪われますが、これは死亡・後遺障害という、めったに使わない補償の上限です。旅行中に本当に使うのは「治療費用」。海外では食あたりの点滴だけで数十万円、入院すれば数百万円という請求が現実に起きます。数字の大きさより、治療費用と適用条件を見るのが正解です。
自動付帯と利用付帯|違いはこの1行だけ覚えればOK
クレジットカードの旅行保険には、有効になる条件が2種類あります。自動付帯は「持っているだけで対象」、利用付帯は「旅行代金をそのカードで払って初めて対象」。覚えるのはこれだけです。
ここ数年で自動付帯のカードは激減し、プラチナカードもほとんどが利用付帯に移行しました。「JCBプラチナは2023年4月から利用付帯」「セゾン系も2021年7月から利用付帯」と、少し前の情報では「自動付帯」と書かれていることがあるので、古い記事を鵜呑みにしないでください。逆に言えば、「旅の支払いはこのカードに集約する」と決めておけば、利用付帯でもまったく困りません。
利用付帯の細かい条件(電車代でも対象になる?マイル発券はどうなる?)は、こちらで深掘りしています。仕組みから知りたい人は先にどうぞ。


旅行保険でおすすめのクレジットカード6枚を徹底比較

主役は「保険のために選びやすい」4枚。これにホテル特典も兼ねたい人向けの2枚を加えた、計6枚です。治療費用の数字に注目して見比べてください。横にスクロールできます。
| カード | 年会費(税込) | 付帯条件 | 海外・死亡/後遺 | 海外・治療費用 (傷害/疾病) | 家族の補償 |
|---|---|---|---|---|---|
| JCBプラチナ | 27,500円 | 利用付帯 | 最高1億円 | 各1,000万円 | 家族特約あり (19歳未満の子) |
| UCプラチナ | 16,500円 | 利用付帯 | 最高1億円 | 各200万円 | 家族特約あり (19歳未満の子) |
| セゾンプラチナ・ビジネス | 33,000円 | 海外:利用付帯 国内:自動付帯 | 最高1億円 | 各300万円 | なし(本会員のみ) |
| 楽天プレミアム | 11,000円 | 自動付帯 (一部は利用で増額) | 最高5,000万円 | 各300万円 | 家族カード会員も 同条件 |
| マリオットアメックス | 34,100円 | 利用付帯 | 最高3,000万円 | 各100万円 | 家族も対象 (補償額は減額) |
| ヒルトンアメックス | 16,500円 | 利用付帯 | 最高3,000万円 | 各100万円 | 家族も対象 (補償額は減額) |
※2026年7月時点の各社公式情報をもとにまとめています。楽天プレミアムの死亡・後遺障害は、自動付帯分が4,000万円、旅行代金の決済で最高5,000万円に増額されます。アメックス系は2026年7月1日以降に開始する旅行から携行品損害の補償が終了しているなど改定が続いているため、申込前に必ず公式の最新の補償内容をご確認ください。
この表からわかるのは3つ。「治療費用」で見るとJCBプラチナが頭ひとつ抜けていること。年会費16,500円のUCプラチナが、コスパ枠として十分に戦えること。そして、自動付帯がどんどん消えていく中で楽天プレミアムが数少ない自動付帯の生き残りだということです。順番に中身を見ていきます。
治療費用が手厚い本命 ⇒ JCBプラチナ

旅行保険を最優先するなら、まず候補に挙がるのがJCBプラチナです。理由はシンプルで、本当に使う「治療費用」が傷害・疾病ともに各1,000万円と、今回の6枚で最も手厚いから。同水準の補償があるのは年会費10万円超のプラチナ・ブラックカードがほとんどで、27,500円でこの数字は正直破格です。
2023年4月から利用付帯になったので、航空券やツアー代金をJCBプラチナで支払うのが条件です。逆に言えば、その一手間さえ守れば最高クラスの補償が手に入ります。家族特約(19歳未満の子)もあり、2025年4月からは家族カードでの決済でも家族特約が適用されるようになったので、子連れ旅行にも対応します。実際、ハワイで急性胃腸炎になり50万円超の治療費が全額カバーされた、バリ島の事故で搬送費込み200万円超が補償されたという利用者の声もあり、「使えたときの安心感」で選ばれているカードです。
向いているケース
- 医療費の高い国(アメリカ等)へ行く機会がある
- 旅行代金の支払いを1枚に集約できる
- 保険だけでなくグルメ・ラウンジなど総合力も欲しい
注意点
- 利用付帯なので、旅行代金を別カードで払うと保険は適用されない
- 年会費27,500円。保険だけ目的なら割高に感じる場合も


年会費を抑えて旅行保険も旅特典も ⇒ UCプラチナカード

「旅行保険は欲しい。でも年会費3万円は出したくない」。そんな人にちょうどいいのが、UCプラチナカード(以下、UCプラチナ)です。年会費16,500円ながら、海外旅行保険の死亡・後遺障害は最高1億円、国内も最高5,000万円。プラチナらしい補償がしっかり付いています。
正直なところを言うと、治療費用は傷害・疾病ともに各200万円で、JCBプラチナと比べると手厚くはありません。ここは隠さずお伝えします。ただ、年会費1万円台でこの補償に加え、プライオリティ・パス年6回無料、航空券7%還元、高級ホテル優待まで付くことを考えれば、「旅行保険つきの旅行用プラチナ」をコスパで選ぶなら有力です。治療費が不安なら、年会費無料の保険つきカードを1枚足して治療費用を合算するのが賢い使い方です(治療費用はカード間で合算できます)。
もうひとつ知っておきたいのが、UCプラチナの家族特約は19歳未満の子のみが対象で、配偶者は含まれない点。夫婦での海外旅行をカバーしたいなら、家族カード(年3,300円)を作って配偶者にも本会員と同条件の保険を付けるのが確実です。
向いているケース
- 年会費を抑えて、保険も旅特典もまとめて欲しい
- 旅行はするが、医療費が極端に高い国がメインではない
- プライオリティ・パスやホテル優待も使いたい
注意点
- 治療費用は各200万円。アメリカなど医療費の高い国では別途上乗せが安心
- 家族特約は19歳未満の子のみ。配偶者は家族カードでカバーが必要
- 利用付帯(旅行代金をUCプラチナで支払うのが条件)
UCプラチナの保険の使い方や条件をもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事でくわしく解説しています。

カードの全体像(年会費・特典・審査)を知りたい人はこちら。

支払いを集約できるなら ⇒ セゾンプラチナ・ビジネス

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(以下、セゾンプラチナ・ビジネス)は、海外旅行保険が死亡・後遺障害で最高1億円、治療費用は傷害・疾病ともに各300万円。海外は利用付帯、国内旅行保険は自動付帯という組み合わせです。航空券やツアー代をこのカードで払う前提なら、補償のバランスは良好です。
ただし注意したいのが、家族特約がない(本会員のみが対象で、追加カード会員も対象外)こと。家族旅行の補償が欲しい場合は、このカードの特典で年会費無料の個人版「セゾンプラチナ・アメックス」を発行するのが定番の合わせ技です。個人版には配偶者・生計を共にする親族まで対象の家族特約が付くので、家族旅行はそちらで支払えば穴が埋まります。JALマイルが最大1.125%貯まる点も含め、「保険+マイル」を1枚でこなしたい人に向いています。


貴重な「自動付帯」の生き残り ⇒ 楽天プレミアムカード

各社が次々と利用付帯に切り替える中、楽天プレミアムカード(年11,000円)の海外旅行保険は今も自動付帯です。持っているだけで治療費用が傷害・疾病ともに各300万円。死亡・後遺障害は自動付帯分が4,000万円で、旅行代金を楽天プレミアムで払えば最高5,000万円に増額されます。
「支払いがあちこちに分散しがちで、利用付帯の条件を満たせるか自信がない」という人にとって、この気楽さは大きな価値です。実際、旅行中にコロナに罹患して療養ホテル代まで疾病治療の保険で対応してもらえたという利用者の声もあります。家族カード会員にも本会員と同様の補償が付くので、夫婦それぞれで持つ使い方も有効です。ただし本会員の保険が家族に及ぶ家族特約はないため、お子さんの分は別カードか任意保険で備えてください。
プライオリティ・パス(年5回まで無料)も付くので、「保険+ラウンジ」を1万円台前半で揃えたい人には手堅い1枚です。楽天カード・楽天ゴールドカードとの保険の違いは、こちらの記事で比較しています。

ホテル特典も兼ねたいなら ⇒ マリオット/ヒルトンアメックス
マリオットアメックス・ヒルトンアメックスにも旅行保険は付きますが、これらは本来ホテル特典が主役のカードです。旅行保険の補償(治療費用 各100万円)は、保険で選ぶプラチナ勢ほど手厚くありません。家族も補償対象になる家族特約はありますが、補償額は本会員より下がります。
さらに気をつけたいのが、2026年7月1日以降に開始する旅行から、アメックスの海外旅行保険の「携行品損害」補償が終了したこと。カメラやスーツケースの盗難・破損は補償されなくなりました。とはいえ、ホテルの無料宿泊や上級会員資格まで含めて考えると、旅行全体の満足度は高くなります。「保険はあくまでオマケでいい。それより無料宿泊や朝食無料が欲しい」という人なら、こちらを選んで保険の不足分は別カードで補う、という発想がしっくりきます。ホテル特典で選ぶ視点は、こちらの記事でまとめています。

旅行保険でやりがちな4つの落とし穴

旅行保険は、補償の中身より先に「そもそも使えるかどうか」で決まります。よくある失敗を先に押さえておいてください。
1)利用付帯なのに、旅行代金を別のカードで払ってしまう
一番多い失敗がこれです。保険を使いたいカードと、旅行代金を払うカードがバラバラだと、いざという時に保険が下りません。「旅の支払いは保険カードに集約」を徹底してください。
2)支払ったつもりが「対象外の支払い」だった
実はここが惜しいポイントで、カードで払っていても対象外になるケースがあります。たとえば燃油サーチャージ無料の航空会社で手数料だけ払った場合や、座席を予約していない幼児の分など、条件を満たせず補償対象外になった実例があります。自家用車のガソリン代・駐車場代も対象外です。確実なのは、空港までの電車・バス代を人数分そのカードで払うこと。細かい条件は利用付帯の解説記事で確認してください。
3)「病気(疾病)」の補償を見落とす
保険というとケガを思い浮かべがちですが、海外では食あたりや発熱といった「病気」での通院も多いもの。傷害(ケガ)だけでなく、疾病(病気)の治療費用がいくらまで出るかを必ず確認しましょう。
4)家族旅行なのに「誰が対象か」を確認していない
家族特約の範囲はカードによってバラバラです。たとえばUCプラチナは19歳未満の子のみで配偶者は対象外、セゾンプラチナ・ビジネスはそもそも本会員のみ。家族で行くなら、「家族も補償されるか」「どこまでが家族扱いか(配偶者・子ども)」の2つを出発前に確認しておくと安心です。
なお、航空機遅延や携行品損害の補償は「あると助かるが、必須ではない」枠です。乗り継ぎが多い人、カメラやPCなど高価な荷物が多い人だけ確認すれば十分。年1回の直行便旅行なら、優先すべきは治療費用と付帯条件です。
タイプ別・あなたに合う1枚はこれ
- 治療費用を最優先したい ⇒ JCBプラチナ(各1,000万円)
- 年会費を抑えて保険も旅特典も欲しい ⇒ UCプラチナ
- 保険とJALマイルを1枚で ⇒ セゾンプラチナ・ビジネス
- 自動付帯の気楽さと年会費の安さ ⇒ 楽天プレミアム
- ホテル無料宿泊も兼ねたい ⇒ マリオット/ヒルトンアメックス
迷ったら、治療費用ならJCBプラチナ、コスパならUCプラチナの2枚から考えると決めやすいです。年会費を抑えつつ保険も旅特典も一通り欲しいなら、UCプラチナがちょうどいい着地点になります。
よくある質問(FAQ)
- 旅行保険目的なら、どのクレジットカードが一番おすすめですか?
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実際に一番使う「治療費用」を最優先するなら、傷害・疾病とも各1,000万円のJCBプラチナがおすすめです。年会費を抑えたいなら、16,500円で旅特典も付くUCプラチナが有力。どちらも利用付帯なので、旅行代金をそのカードで支払うのを忘れないようにしてください。
- 自動付帯のクレジットカードはもうないのですか?
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激減しましたが、残っています。今回の6枚では楽天プレミアムカードの海外旅行保険が自動付帯です(死亡・後遺障害と携行品は旅行代金の決済で増額)。「支払いを1枚に集約するのが面倒」という人は、自動付帯のカードを選ぶか併用すると安心です。
- 海外旅行保険と国内旅行保険、両方ついていますか?
-
今回紹介したカードは、海外・国内の両方が付帯します。たとえばUCプラチナは海外最高1億円・国内最高5,000万円。ただしセゾンプラチナ・ビジネスのように「海外は利用付帯・国内は自動付帯」と条件が分かれる場合があるので、それぞれの条件は公式で確認してください。国内旅行保険の見方は国内旅行保険の解説記事にまとめています。
- 利用付帯でも問題ないのはどんなケースですか?
-
航空券・ツアー代・空港までの交通費などを、保険を使いたいカードに集約して支払える場合は、利用付帯でもまったく困りません。逆に、予約サイトや支払いがあちこちに分散しがちな人は、自動付帯のカードを併用すると安心です。
- 補償額が足りるか不安です。どうすればいいですか?
-
治療費用や携行品損害などは、複数のクレジットカードの補償額を合算できます(死亡・後遺障害は最も高い1枚分のみ)。年会費無料の保険つきカードを1枚足すだけで治療費用を上乗せできるので、医療費の高い国へ行くときに有効です。
- 家族旅行でも使えるカードはありますか?
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家族特約があるのはJCBプラチナやUCプラチナ(いずれも19歳未満の子が対象)です。配偶者までカバーしたい場合は、家族カードを発行して配偶者にも保険を付けるのが確実。セゾンプラチナ・ビジネスは本会員のみが対象なので、家族旅行が多い人は対象範囲を必ず確認してください。
まとめ:旅行保険つきクレジットカードは「治療費用」と「条件」で選ぶ
旅行保険でクレジットカードを選ぶとき、惑わされてはいけないのが「最高◯億円」という死亡・後遺障害の数字です。本当に見るべきは、実際に使う治療費用がいくらか、そして自動付帯か利用付帯か。この2点で選べば、いざという時に困りません。
- 治療費用を最優先:JCBプラチナ(各1,000万円)
- コスパで保険+旅特典:UCプラチナ(年16,500円)
- 保険+JALマイル:セゾンプラチナ・ビジネス
- 自動付帯で気楽に:楽天プレミアム
- 保険+ホテル無料宿泊:マリオット/ヒルトンアメックス
「年会費は抑えたいけど、保険もラウンジもホテル優待も一通り欲しい」という欲張りなニーズに、1万円台で応えてくれるのがUCプラチナです。治療費用がやや手薄な点だけ、年会費無料カードの合算でカバーすれば、旅の備えとして十分です。
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